彼は水のほとりに植えられた木のようになり
川の流れにその根を張り
暑さが来ても恐れず
その葉は常に青く茂っている。
日照りの年も憂えることなく
絶えず実を結ぶ。
エレミヤ書 第17章 8節
植物の土台は地中に張りめぐらされた「根」の存在によります。
「根」が良い土壌ににシッカリと根ざすと
その幹は太くなり豊かな実りをもたらします。
また、自らを支えるだけではなく、網の目のように土壌層をつなぎ止め
周囲の土砂崩れを防ぐ役割をも担います。
人間も幼少期から培われた「心の根」の育ち方、伸び方によって
その人の生き方や人間性・周囲への影響など、人生の豊かさが大きく左右されます。
それでは、どのような「心の根」が、豊かな人生の実りをもたらすのでしょうか?
まずは、肥沃な土壌(愛のある家庭環境)に太く、長く、地中深く、多く枝分かれしてシッカリ根を張れれていれば万全ですが、痩せこけ枯れた土壌(愛のない家庭環境)で細く、短く、浅く、枝分かれもままならない貧弱な根は、地上の幹(茎)を支えられず次の成長へのステップアップも踏めず、やがて枯れ果てる運命にあります。
家庭における肥沃な土壌の礎は、親の愛に満ちた温かな眼差しと自立性の尊重。
太い根への成長は、安定した心で、生きる事への肯定的な欲求を満たすこと。
長く、深く、多くの枝分かれへの促進は、自由に自らの世界を拡げようとする
自発性・自律性を尊重することによって実現します。
「心の根」が健やかに育つための基本的な条件が揃えば、人は自らグングンと根を伸ばし必要十分な栄養素を枝葉に供給し、目を見張る成長力を見せることでしょう。
大きく高く育つ植物は、より多くの太陽光を浴びることができ、光合成も活発になり
理想的なライフサイクルを回し始めます。
地震や豪雨にも負けず崩れず、周囲を支えつつ、やがて豊かな実を多く結びます。
地中深く張りめぐらされた植物の「根」は、土の中で私たちの想像を超えて拡がっています。同様に「人の心の根の拡がり・太さ」も見えにくいものです。
見た目は立派だが、艱難辛苦に弱くすぐ倒れる者は
「心の根」がシッカリ育っていません。
目立たないように見えても、どんなことにも挫けず負けない者は
「心の根」が立派なのです。
幼児期から青年期にかけて、残念ながら脆弱な根しか育たなかった人たちも
悲観することはありません。周囲からの揺さぶりに耐え抜かれなかった根も
甦らせバランスの良い健康な根に育て直すことは可能です。
自分の心の根が今どのような環境のもとにあるのか…まず深く瞑想してみましょう。
小さな植木鉢の中のような狭い世界・狭量では、決して立派な根は育ちません。
まず、広い大地でなおかつ、冒頭の聖句にあるような肥沃で水脈が豊かな土壌に植え替えをしましょう。
そして、天からの光が降り注ぐ方向に枝葉を導き、光合成で世の中に役立つ「酸素」=「善き行い」を多く生み出すライフサイクルを意識して実践してみましょう。
大地にシッカリと根を張ることによって、人生の土台は盤石になり全てがプラスに転じてきます。
そうすれば、あなたの周りの環境も見違えるほど良くなること請け合いです。
自らの「心の根」の張りようを、一度確認して改善してみませんか?